品種開発
カルビーポテトの
専門性

安定的なじゃがいもの調達を
可能にする専門部署
馬鈴薯事業を支える、研究と栽培のエキスパートの声をお届けします。

次世代を紡ぐ品種開発
馬鈴薯研究所 所長 / I.T.
品種開発で「三方良し」を
実現する仕事
馬鈴薯研究所の使命は、カルビー商品に最適なじゃがいもを生み出すことです。しかし、それだけでは不十分だと考えています。生産者の方々にとっては、病気に強く育てやすい品種であること。工場にとっては、加工効率に優れ、安定した品質を保てること。そして消費者の皆さまには、ひと口食べて「おいしい」と感じていただける食感と風味をお届けすること。この三方良しを同時に満たすじゃがいもを目指し、私たちは一つの品種につきおよそ15年の歳月をかけて品種開発に取り組んでいます。
品種開発は、農業現場や製造現場が抱えるさまざまな課題を一挙に解決する力を持っています。これからも、そうした可能性を信じ、馬鈴薯事業全体に貢献できる品種を生み出していきたいと考えています。
カルビーポテトならではの
スピードと連携
油加工用のじゃがいもに特化した品種開発を行っている企業は、日本では私たちカルビーポテトだけです。加工メーカーであるカルビーと一体となって取り組んでいるからこそ、他の品種開発機関と比べて、よりスピーディーに評価を進めることが可能です。
加工後の品質評価をカルビーが直接行えることに加え、カルビー内の基礎研究部門と連携できるのも、当社ならではの強みです。こうした体制によって、原料開発から商品化までを一気通貫で見据えた品種開発が実現しています。
また、私たち馬鈴薯研究所の特徴は、生産者とのやりとりが中心の他部署とは異なり、大学や研究機関、行政との技術的なコミュニケーションが中心である点です。さらに、海外の試験研究機関ともネットワークを築いており、グローバルな視点を取り入れながら開発を進めています。
次世代の品種開発に向けて、
新たな技術へ挑戦を
将来的には、新たな技術にも積極的に挑戦していきたいと考えています。例えば、これまで主にフィールドで行ってきた特性の検定を、遺伝子マーカーによって効率的に進める技術にも注目しています。遺伝子検査機器を活用することで、より精度の高い品種選抜や、遺伝子情報に基づいた品種開発が可能になります。
また、現在世界的にも注目されている「種子繁殖型ジャガイモ(F1育種)」への取り組みにも関心を持っています。従来の種芋とは異なり、種子から育てるこの技術には大きな可能性があり、今後の研究対象として挑戦していきたい分野の一つです。

技術支援が拓く持続栽培
栽培技術課 / A.H.
栽培技術課の役割
栽培技術課の役割は、「技術・情報・教育」という三つの柱を軸に、フィールドマンや契約生産者の支援をすることです。じゃがいも栽培に関する国内外の最新技術や情報を収集し、フィールドマンが収集したデータと照らし合わせ、品質の高いじゃがいもをたくさん収穫するためにはどんな栽培方法が適しているのか、資材が適しているのかを判断しフィールドマンに共有しています。また、フィールドマンの教育も重要な役割のひとつです。栽培技術課主導でフィールドマンへの勉強会や研修を行ったり、外部の専門家を招き講義をしていただくこともあります。フィールドマン一人ひとりが契約生産者に適した栽培指導や技術・情報の提案をできるように支援することが栽培技術課の目的となっています。
カルビーポテトだからこその
強み
栽培技術課の強みは大きく二つあると感じています。一つ目は創業以来蓄積してきた豊富なデータと最新技術を掛け合わせた栽培技術を提供できることです。二つ目は外部機関との強固な関係性があるため、肥料、農薬、農業機械、外部コンサル企業との連携をおこない市場の最新情報をキャッチするとともに栽培の実践に活用できていることです。例えば、肥料関連企業とコラボレーションしオリジナルブレンドの資材を開発、販売しています。これにより有限な資材の過度の使用を抑え、収益性向上と環境負荷低減に努めています。地域に根差し長年培ってきたノウハウと、関係企業や契約生産者との関係があるからこそ、カルビーポテト独自の技術を提供することができます。
栽培技術課が見据える未来
最終的に私たちが目指しているのは、契約生産者に「カルビーポテトに出荷して良かった」と思っていただけるような、持続可能で収益性の高いじゃがいも栽培の実現です。そのためには、気候変動に順応した栽培や、環境に配慮した施肥や、省力的な収穫・運搬のあり方を整えていくことが大切です。
今後は、国内外の関係機関との連携を強化し、AIやICTを有効的に活用して、より効率化・省力化を目指し環境への負担の少ない栽培技術を構築していきたいと考えています。その中でフィールドマンの技術力も高め、若手の育成にも力を入れていきたいです。北海道の畑からはじまる挑戦が、消費者の食卓までつながっていく。そんな未来を少しずつでも築いていけたらと思っています。
